Track Listing:
SIDE A:
1. Give It To Me "Bam Bam's Acid Revenge Remix" (Club Version) (5:40)
2. Give It To Me "Bam Bam's Acid Revenge Remix" (Radio Version) (3:50)
SIDE B:
Give It To Me (The Double Trouble 12" Extended Remix) (6:35)
Remixed by Double Trouble at Noisegate Studio (London)
Double Trouble Are Mike Morrison - Leigh Guest - Damon Rochefort
Female Voice "CRYSTAL NEELY"
▶ 時は'87年、「パンプ・アップ・ザ・ボリューム」「レット・ザ・ミュージック・テイク・コントロール」、そして「キャン・U・ダンス」と続いたハウス・ミュージック元年の国内ディスコで、同年暮れから翌年初春にかけて、ボム・ザ・ベース「ビート・ディス」、コールドカット「Doctorin' The House」、N.T. ギャング「Wam Bam」、ザ・ビートマスターズ「ロック・ダ・ハウス」、そしてブルー・メルセデス「プロパティー」のハウス・リミックスといったUK産ハウス群に混じって、ディスコでヘヴィロテされたUS産シカゴ・ハウス。アメリカはシカゴのハウスミュージック・クリエーター、バン・バンことCHRIS WESTBROOKがフォース・シングルとしてリリースしたこのナンバーはユーロビート・サウンド全盛の国内ディスコで早い時間のハウス・タイムで毎夜毎夜毎夜、ヘヴィーにオンエアされました。アメリカのアンダーグラウンド・シーンでシカゴ・ハウス色濃いオリジナル・ミックス盤が出たあと、イギリスではダンス・ミュージック・グループのダブル・トラブルがアメリカ盤全ヴァージョンにショート・エディットを施したファースト・ミックス盤をリリース。さらにセカンド・リミクシィーズEPとして、ダブル・トラブルがスリリングなサウンドエフェクトやサンプリングフレーズで
派手派手に装飾を施したアシッドリミックス・ヴァージョンを投入。このリミックスは国内のディスコでリアルにオンエアされた鉄板の本命テイクで、冒頭イントロからパブリック・エネミーの声ネタ、導入部すぐにグランドマスター・メリー・メルの“Bass!”、さらにジェームズ・ブラウンのライヴMCでインパクトを付け、トラック上に次から次へとサンプリングフレーズをレイヤーする「ペイド・イン・フル」や「パンプ・アップ・ザ・ボリューム」同様の手法を用いてアンダーグラウンドでの評価に留まっていた楽曲を一閃メジャー・シーンへと誘うことに成功しました。その後、さらにバン・バン自身のダビーなアシッドハウス・リミックスをメイン・トラックに据えて、ダブル・トラブル・リミックスをカップリングした、“THE REMIXES”と題したサード・リミクシィーズEPをコンプリート盤としてリリース。このサードEPが3種のUK盤の中では最も見つかりません。当時のディスコでハウス・ミュージックがなかなか浸透せず、ディスコキッズからの拒否反応も強かったもどかしい時期の一曲ながら、国内ディスコの歴史においてアーリーハウス・クラシックとして外すことの出来ない重要なポジションに位置づけられる作品です。思い返せばユーロビート全盛のこの頃、一般オーディエンスがハウス・ミュージックを全く受け入れない中で、多くの営業DJはこれこそ最先端のダンス・ミュージックだと言わんばかりに大プッシュ。実際は「なにこれ?」と一般客と大して変わらない本音だったにも関わらず、なんとなく米英で話題の最先端ダンス・ミュージックというだけでゴリ押ししていた実態がありました。多くのディスコDJは女にモテたいだけで己の仕事にプライドも向上心も感性を磨くこともない能天気の集まりでしたから・・・ ちなみにハウス・ミュージックはこの年の夏くらいを境に急速にポップ性を高めて進化し、マット・ビアンコ「ワップ・バム・ブギー」、L.A ミックス「チーク・ジス・アウト」や、S・エクスプレス「テーマ・フロム・S-エクスプレス」といったキャッチなインパクトを伴ったヒット・チューンが量産されてシーンを活性させて行きます。わたくしごとながら当時思い出すのは繁華街でナンパに明け暮れていた中、粋がってこんな曲ばかりを詰め込んだカセットテープをカーステで流すも、ディスコ帰りの乗せた女子たちから「つまんねぇB.G.M.」って空気がハンパなかったって苦すぎる思い出(笑) 若気の至りで意地になってテープを変えなかったんでしょうよ、当時の俺。あれって結構拷問だったんだろうなぁ、って今更ながらちょっと反省します(笑)