Track Listing:
SIDE A:
1. MONIE LOVE - Grandpa's Party (6:53)
Remixed by J.M. Fax & StoneBridge
2. PAURA ABDUL - Cold Hearted (6:35)
Remixed by J. J.
Sampling by StoneBridge
SIDE B:
1. TEN CITY - Funny Love (6:04)
Remixed by StoneBridge
2. HI-TECH-NO MEETS STONEBRIDGE - Move Groove (So Funky) (5:57)
Produced by StoneBridge and Hi-Tech-No At Techno Cave Studio, Lulea
SIDE C:
1. KRAZE - (The Denniz PoP Vision Of) Let's Play House (5:30)
Remixed by Denniz PoP
2. DE LA SOUL - Say No Go (4:25)
Remixed by Denniz PoP
3. FLAME With TONY TERRY - On The Strength (5:37)
Re-Edited by Denniz PoP
SIDE D:
1. MICHAEL JACKSON - Billie Jean (8:32)
Remixed by Denniz PoP
2. LL COOL J - It Get's No Rougher (6:12)
Remixed by Mopz Below
Program Service: SWEMIX RR 31
For Professional DJ's Only
▶ アメリカの著名リミックス・サービス『DISCONET』『HOT TRACKS』や、イギリスの『DMC』に触発されてスウェーデン・ストックホルムのトップDJ 5人が創設したスウェーデン発のリミックス・サービス『SWEMIX』からのバックナンバー/2枚組セット。『SWEMIX』に取り上げられた膨大なリミックスの中、ジェイミー(ジャミー)・プリンシプル「ベイビー・ウォンツ・トゥ・ライド」とともに世界中のクラブDJから称賛を浴びる、最高傑作の誉れ高き一編として讃えられるのが、ここに収録されたマイケル・ジャクソン「ビリー・ジーン」です。『SWEMIX』創設者のひとり、ストーンブリッジによれば、本作が配布された当時、ストックホルムのスィーミックス・オフィスには世界中のDJから問い合わせが殺到したほど海外クラブ業界にもセンセーショナルな話題を振りまいた一作です。本作の最大の特徴で見せ場でもある、マイケルのヴォーカル・キー(音階)を維持したままテンポが遅くなって再びピッチが戻るトリッキーなアレンジを施した間奏ブレイクは勿論、めまぐるしく変化するドラム・パターンにライヴ音源のヴォーカルや歓声、あの有名な “Can You Feel It!” をはじめ、ジャクソンズのライヴ盤からのサンプリング・フレーズも巧みに取り込んで、8分トータルの楽曲を息もつかせぬ熱量を保ったまま消化、ライヴの歓声で余韻たっぷりにフェードするエンドロールにまで全編緻密な計算が活きた鳥肌モノの仕上がりです。曲中にテンポが遅くなって再び通常ピッチに戻るという構成は、これが出る一ヶ月前にリリースされたリル・ルイス「フレンチ・キス」にインスパイアされたのかも知れませんが、キーはそのままにピッチだけを変えるという編集技術は当時としては他に例を見ないあまりに先進的な試みでした。このブレイク・パートは、リミキサーのデニス・ポップがドラムマシーンで作ったビートにレコード音源をターンテーブルでミックスして細かいピッチコントロール操作で同期させ、オリジナル・トラックから短いパーツをサンプリングして、アタリ・コンピューターのソフト、ノーテーターでテンポを変更してトラックを構築するという、時間と情熱の限りを傾けた努力の結晶でした(ちょっと大袈裟?笑)。この「ビリー・ジーン」は、デニス・ポップの原曲への限りないリスペクトや溢れ出るアイデアと卓越したテクニックは元より、クリエイティビティやタイミング、それら全てが奇跡的に揃って生まれた世紀のベスト・リミックスとして、これからも新たなDJやクラブ・フリークスを巻き込んで語り継がれることでしょう。その他、ダリル・ホールとジョン・オーツ「アイ・キャント・ゴー・フォー・ザット」ネタのインパクトも強烈だったデ・ラ・ソウルの代表作「セイ・ノー・ゴー」もデニス・ポップによるサンプリング・フレーズを多めに盛った力作です。尚、おまけにこっそり教えますが、この「ビリー・ジーン」が入ったレコードD面には‘イースター・エッグ’が含まれていますので、レーベル付近にそっと針を落してみて下さい。